相続放棄の流れと注意点

相続放棄とは

相続放棄とは、亡くなった人の財産のすべての受け取りを拒否することです。相続人が相続する財産には、現金や不動産などのプラスのものだけではなく、借金や公共料金の滞納などマイナスのものも含まれる可能性があります。亡くなった人の財産のうち、プラスのものよりもマイナスのものが多かった場合は、相続人が自分の貯金を切り崩して支払わなければならなくなります。そのため、状況によっては相続を放棄した方が望ましいこともあるでしょう。



相続放棄の注意点

とはいっても相続放棄をすることによって後悔する可能性もあります。相続放棄は一度行うとキャンセルできないので、本当にすべきかどうかは慎重に判断する必要があります。


相続放棄の注意点1.
マイナスの財産だけではなく、プラスの財産も受け取れなくなる

相続を放棄するということは、亡くなった人のすべての財産を受け取れなくなるということです。「借金などのマイナスの財産は引き継ぎたくないけれど、現金などのプラスの財産だけ受け取りたい」ということは原則できません。財産を相続することと放棄することのどちらがいいのかは、財産を調査したうえで慎重に決定しましょう。

なお相続財産のうちプラスのものとマイナスのもののどちらが多いかが不明な場合は、「限定承認」という方法もあります。限定承認とは受け取る相続財産がトータルでプラスになる場合はすべての財産を引き継ぎ、マイナスになる場合はプラスの財産と同じ分だけマイナスの財産を引き継ぐ方法です。つまり亡くなった人がマイナスの財産を残していても、相続人が自分の財産から支払う必要はないのです。

相続放棄の注意点2.
一度相続を放棄するとキャンセルできない

相続財産は一度放棄するとキャンセルできません。あとでマイナスの財産よりもプラスの財産の方が多いことが分かっても取り返しがつかないので、慎重に決定しましょう。

相続放棄の注意点3.
相続を放棄しても、保証人を免れることはできない

亡くなった人の保証人になっていた場合、相続を放棄しても保証人を免れることはできません。保証人になって困っている場合は、債務整理などを検討するとよいでしょう。

相続放棄の注意点4.
相続を放棄しても債権者には連絡がいかない

相続を放棄しても債権者に通知されることはありません。そのため自ら債権者に相続を放棄したことを伝えなければなりません。相続放棄の旨を伝えるためには、「相続放棄申述受理証明書」をを債権者に郵送する必要があります。

相続放棄の注意点5.
相続放棄の期限は3ヶ月

相続放棄をする場合は、被相続人が亡くなった日から3ヶ月以内に行わなければなりません。期限が過ぎてからの相続放棄は不可能ではないですが、手続きが複雑になります。相続放棄を検討している場合は、早めに決断しましょう。



相続放棄のメリット・デメリット

相続放棄にはメリットもあればデメリットもあります。両者を吟味したうえで決断することが大切です。

相続放棄のメリット

1. 亡くなった人の借金を引き継がなくていい

亡くなった人が多額の借金を残していた場合、相続人に支払いの義務が生じます。その場合は相続を放棄することで返済を免れることができます。

2. 相続の争いを避けられる

相続人が複数人いる場合、誰がどの財産を相続するのか話し合わなければなりません。その場合相続を放棄することで争いから免れることができます。

相続放棄のデメリット

1. プラスの財産も受け取れなくなる

前述したように、相続放棄するとプラスの財産も受け取れなくなります。一度相続を放棄すると、撤回はできないので、慎重に検討しましょう。

2. 手続きが大変

相続放棄する際は、書類の収集や作成、提出など面倒な手続きが多くあります。それでも相続放棄すると決断した場合は、漏れなく丁寧に行いましょう。



相続放棄の流れ

相続を放棄すると決断したら、やらなければならないことがたくさんあります。1 つ1 つ順番に行いましょう。

①書類を集める

相続放棄の際に必要な書類は以下です。

  • 申述書
  • 相続放棄する人の戸籍謄本
  • 亡くなった人の住民票除票または除籍附票
  • 収入印紙(800 円)
  • 切手(裁判所によって異なる)

②相続放棄申述書を作成する

必要書類を集めたら、次は相続放棄申述書を作成します。相続放棄申述書とは、相続放棄する旨を裁判所に伝えるための書類です。相続放棄申述書は裁判所のHPからダウンロードすることができます。書類の記入が終わったら800円の収入印紙を貼り付けて完成です。

③裁判所に提出する

書類が出来上がったら、亡くなった人が最後に住んでいた住所を管轄している裁判所に提出します。そのとき切手も一緒に提出しますが、値段は裁判所によって異なります。管轄の裁判所に確認しましょう。書類の提出は、裁判所に直接持参する方法と郵送する方法があります。好きな方でかまいません。郵送を選択する際は、レターパックなどの到着が確認できる郵送方法が好ましいです。

④裁判所からの照会書に回答する

前述したように、一度相続を放棄すると撤回することができません。そのため裁判所は本人の意思で相続放棄を行っているのかどうか調査する必要があるのです。照会書に回答したら裁判所に提出します。

⑤相続放棄申述受理通知書を受け取る

裁判所が書類を確認して相続放棄を認めたら、相続放棄申述受理通知書が送られてきます。相続放棄の手続きは以上となります。

相続放棄のご相談は
内田行政書士事務所へ

相続放棄は上記のような手順で
自分で進めることができます。
しかし亡くなった方が借金をしていたり、
相続放棄の期限が過ぎていたりして
自分で手続きをすることが
困難になってしまうこともあると思います。
自分で手続きするのが難しいときは、
司法書士などの専門家を頼りましょう。
内田行政書士事務所では相続放棄に関する
ご相談に丁寧に対応します。