事業承継の種類

事業承継とは?

事業承継とは、経営者が自身の会社、もしくは事業を後継者に引き継ぐことを指します。

2017年中小企業白書によると、経営者の高齢化・後継者不足により2025年には約127万件の中小企業が廃業し、650万人の雇用が失われると予測されており、我が国において早急に対処しなければならない課題となっております。



事業承継3種の
メリット・デメリットと
気をつけたいポイント

事業承継には、大きく分けると以下の3種類があります。

  1. 親族内承継
  2. 従業員承継
  3. M&A

親族内承継

親族内承継とは、経営者の子どもや親族への承継のことです。小規模企業では中心になっている承継の方法です。メリット、デメリットは以下のとおりです。

メリット

  • 後継者が、従業員や取引先などの社内外のステークホルダーに受け入れられやすい
  • 株式、事業用資産を相続などにより後継者に引き継げる

デメリット

  • 後継者教育に時間がかかることが多い
  • 後継者以外の親族との間で相続についての問題が起きやすい

親族内での事業承継は、後継者に対する経営者としての徹底した教育が必要である反面、周囲の受け入れがスムーズな傾向があります。

親族内承継では、事業資産(株式、不動産等の各種設備を含む)を相続などで後継者に渡すことが可能です。株式を買い取りの形式で引き継ぐと、資金の関係で会社の所有と経営の分離が起きてしまうことも多く、オーナーと経営者が分かれてしまい、会社運営のなかでトラブルになることも少なくありません。しかし、親族内承継ではこれを避けやすくなります。

ただし、相続での事業承継時は、親族内の望まぬ争いや、株式の所有者の分散によるトラブルが起きることもあり得ます。事業を承継しない親族も含めて、財産分割などについてきちんと話し合うことが必要になってきます。

従業員承継

従業員承継とは、親族以外の役員や従業員への承継のこと。現在の経営者が長く一緒に働いてきた社員への承継する場合が多いですが、取引先・銀行などの紹介で外部から後継者を招き入れるケースもあります。いずれの場合も、メリット、デメリットがあり、以下に解説します。

メリット

  • 後継者教育の手間が少なく済む
  • 後継者の選択肢が広くなり、資質の有無で選びやすい

デメリット

  • 社内分裂など、トラブルが起きやすい
  • 後継者の資金力不足が問題になりやすい

経営者もよく知っている従業員に経営を引き継ぐ従業員承継では、資質を見極めて現経営者の意向を引き継ぎやすい一方で、社内分裂につながることもあり得ます。後継者選択は慎重に行い、且つ時間をかけた社内調整も重要になります。

また、従業員承継においては自社株の買い取りの問題も重要です。親族承継では相続など自社株の承継方法は多数ありますが、親族外である従業員に自社株を渡す場合、方法が限られます。

近年はMBO(マネジメント・バイアウト)などの手法で、役員・従業員に株式を承継するケースも増えてきていますが、資金面の壁は親族内承継より高い傾向があります。個人保証の問題もあり、早期に専門家を交えて整理を始めるのがよいでしょう。

M&A

M&Aとは、Mergers and Acquisitions(合併と買収)の略です。親族、従業員以外の第三者が企業を買うことです。M&Aをすれば買い手側に経営権を譲渡して、自社の経営を引き継ぐことができます。

M&Aでの事業承継には、以下のようなメリット、デメリットがあります。

メリット

  • 買い手企業による事業への投資拡大、事業拡大の可能性がある
  • 買い手企業の他事業とのシナジー効果が期待できる

デメリット

  • 買い手企業との交渉などで、成立までに時間がかかる場合がある
  • 買い手企業による雇用・労働条件の変更により従業員の離職が起きうる

M&Aを行う場合、経営理念や従業員の雇用保持のための十分な確認・交渉が非常に重要となります。また、契約成立前に従業員の不信感を可能な限り解消しておくことが重要です。

このようにM&Aにはさまざまな注意が必要ですが、これまで培ってきた企業の力をより活かす方向に変革が起きる可能性も大いに期待できます。労働人口が減っていく日本において、有効な事業承継の手段の一つといえます。



まずはご相談を

事業承継は自社の現状を
見直すことから始まります。
弊所では、会社の現状を把握するための
リスク診断から始めさせていただき、
第三者の視点から、会社の抱えている事業承継に
関連する問題点を洗い出す作業から始めます。
その作業から生まれる「気づき」によって、
会社の未来を良い方向に向けることを
目指しております。